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まるまる日記

正真正銘のスーパースター

語学の授業では一通りの文法の勉強をすると、
その文法を使ってより実践に近い形の「タスク」とか「ロールプレイ」なんてものをやることがある。

例えば英語のレッスンで、駅から家までの行き方を説明したり、日本料理の作り方を説明したり。
そんな練習をした記憶はないだろうか。
それの反対バージョンを想像していただきたい。

Language Studio・まるでもこの手の練習をたくさん取り入れているのだが、
その時に登場する人物の定番になっていたのが、マイケル・ジャクソンだった。

「同僚のマイケル・ジャクソンさんを取引先に紹介する」とか、
「マイケル・ジャクソンが日本に遊びに来るので、
旅行会社が彼のために組んだプランを日本の代理店相手にプレゼンする」とか、
「マイケル・ジャクソンに写真を撮ってもいいかどうか、日本のエージェントに許可をもらう」とか。

ところが、6月のマイケルの急死。
いちいち「もう死んじゃったけどね」と説明するのもまどろっこしい。
いままで作ってきたタスクの多くが使えなくなった。

代わりにマドンナとかビヨンセでやってみる。
「あ、まるまる銀行のジョージです。いつもお世話になっています。
こちら営業2課のビヨンセです。来週からビヨンセが担当になります。どうぞよろしくお願いします」
・・・いまひとつ・・・であった。

何故かマイケル・ジャクソンの名前が出ただけで学生の顔がほころぶ。
何故か彼の名前が出ただけで「ふふふ」という笑いが漏れ、教室の空気が和らぐ。
好き嫌いの問題ではなく彼というキャラクターが学生の心を少しだけ和ませたように思う。

こんなに世界共通でインパクトのあるキャラクターは他にはいない。
ミッキーマウスでさえ中国の山奥から出てきた学生には通用しなかったのに、だ。

改めて彼の偉大さを思う。
彼の死によってタスクシートの大幅な作りかえを余儀なくされるなんて、
自分でも想像していなかった。
まして小さな語学教室の片隅からちょっとした微笑みが消えたなんて、誰が想像しただろう。
音楽やダンスに及ぼした影響はマスコミでも取り上げられたが、
彼の早すぎた人生の終焉がもたらした影響は計り知れない。

気を取り直して「(目的語)を (動詞)ます/ました」の練習のところで
「きのう、マイケル・ジャクソンのゆうれいを見ました」とやってみた。
大ウケ大盛り上がり。
さすがマイケル。
やっぱりマイケル。

死してなお偉大なり。



by maru-blog | 2009-11-26 13:04

代々木上原駅前の日本語教室~Language Studio・まる~を主催する maru*maruの不定期日記です。
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